さまざまな透析治療
血液濾過透析(HDF)
血液透析(HD)と血液濾過(HF)の併用型で、血液濾過透析(HDF)という血液浄化療法の一つです。
HDFにはボトル型(オフライン)HDFとオンラインHDFがあります。
通常の血液透析では、透析膜の小さな穴(孔径)を介して、患者血液と透析液間の濃度差(拡散の原理)で、尿毒素物質を交換・除去しています。
小さな穴を通過できない物質は除去できないため、長期間透析を継続することで、β2ミクログロブリンに代表される分子量の大きい尿毒素物質が体内に蓄積され、様々な合併症を引き起こすことが懸念されます。
1970年代には、分子量の大きな尿毒素物質を除去し、より生体腎に近い血液浄化療法としてHDとHFを組み合わせた血液透析濾過(HDF)が考案されました。
従来のHDFは、1時間当たり2~3リットルの置換液(補充液)を、血液内に注入し撹拌させ、注入した量と同量の水分を様々な物質と共に除去する療法です。
これにより、血液透析に比べ、分子量の大きい尿毒素物質の除去も可能となりました。
オンライン血液濾過透析(OHDF)とは
2010年より、慢性維持血液透析濾過(複雑なもの)として保険収載されたオンラインHDFは、従来のHDFで使用していた置換液の代わりに、清浄化した透析液の一部を置換液として使用する療法です。