さまざまな透析治療
オンライン血液濾過透析(OHDF)
2010年より、慢性維持血液透析濾過(複雑なもの)として保険収載されたオンラインHDFは、従来のHDFで使用していた置換液の代わりに、清浄化した透析液の一部を置換液として使用する療法です。
オンラインHDFの効果
オンラインHDFには、オンラインHDFを実施できる基準をクリアした清浄化透析液を使用することによる透析液清浄化の効果と、大量の置換液を使用してHDFを実施する2つの効果が期待されます。
清浄化透析液による効果
透析治療では、大量の水(透析液)と血液が半透膜を介して接し、逆濾過現象により透析液が血液内に流入します。
汚染された透析液に存在する細菌や、細菌が死滅した時に発生するエンドトキシン(細菌内毒素)が血液内に混入すると、発熱や、炎症等の様々な反応を引き起こします。
透析液を清浄化し、微量の細菌やエンドトキシンを混入させないことが、安全な透析治療と、最大限の治療効果を得るための基礎となります。
大量の置換液を使用してHDFを実施する効果
従来のHDFでは、置換液バックを1時間当たり2~3リットルの置換液量が最大で、それ以上の補充は装置の構造上不可能でした。
しかし、オンラインHDFでは、大量の置換液を供給することが可能で、様々な尿毒素物質の除去効果が期待されます。
オンラインHDFの実施基準
治療効果が期待されるオンラインHDFを実施するには基準があります。
2012年より、慢性維持血液透析濾過(オンラインHDF)の実施にあたり、使用する透析液についてより厳しい水質基準が定められ、オンライン血液透析濾過を算定する医療機関は、透析液水質確保加算2を算定していることが要件とされました。
透析液水質確保加算2についての施設基準
- (1)月1回以上水質検査を実施し、関連学会から示されている基準を満たした血液透析濾過用の置換液を作成し、使用していること。
- (2)透析機器安全管理委員会を設置し、その責任者として専任の医師又は専任の臨床工学技士が1名以上配置されていること。
透析液水質基準
生菌数 | 100CFU/ミリリットル未満 |
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ET | 0.050EU/ミリリットル未満 |
生菌数 | 0.1CFU/ミリリットル未満 |
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ET | 0.001EU/ミリリットル未満(測定感度未満) |
無菌かつ無発熱物質(無エンドトキシン) |
2016年度版 透析液水質基準(JSDT)より抜粋
一陽会グループでは、全施設が施設基準を満たしており、患者さんへ清浄化された超純水透析液を供給できる体制を構築し、維持しています。
さらに、様々な取り組みを実施し、高度な透析液清浄化管理に対するマネジメントを進めています。